生まれは福岡だったが育ったのは中3まで、登山経験は福岡の油山、背振山ぐらいだった。初めての九州での登山は、九州唯一の岩場エリア宮崎へ。
11.22 比叡山1峰第1スラブスーパー
取付 9:55 終了12:45 駐車場戻り14:00
持参カム:リンクカム1セット、エーリアン2
延岡から思いのほか近かった。1時間かからず、8:30にはトイレのある比叡山の下に。すごく寒い、南国の寒さではない、風も強い。付近を偵察して、車で時間をつぶす。結局、鹿川の方まで偵察に林道を進む、15分ほど進み小学校を過ぎた先でUターン。Uターンを待っていてくれた車が1台。比叡山の下の駐車場に戻ると、その車も隣に駐車した。その車はMガイドの車だった。ニードルの左岩稜へ行くとのこと。我々は予定通り1峰の第1スラブへ向かう。取り付きまで2,3分。
1p目:簡単なフェースを50mいっぱい左上。木のあるテラスへ。
2p目:テラスからフェースを直上するノーマルはやめて、草付きテラス左端よりフェースに取り付く。フェースに移るところが感じ悪い。微妙な岩の薄い切れ目を狙い登る。ハンガーの間隔は遠い。浅い凹状をトラバースする先のハンガー2本で切る。25m。
3p目:ちょっと傾斜の強いフェースを慎重に登る。15mでワイヤーのある支点へ。
4p目:フェースを弱点を狙い登る。最後は大きな岩を左に回りこみ大きなテラスへ。北側に出て冷たい風にさらされる。30m。
5p目:簡単なリッジを15mで大きなテラス。
6p目:簡単なクラックをマントルでバンドへ。バンドを4~5m右へトラバース。
右側のフェースに乗り込む。乗り込むところが感じ悪い。フェースを登るが、ランナウトするのでカムで補完しながら登る。最後大きなテラスへ。45m。
7p目:クラックから右のフェースへ移り、テラスへ。テラスからカンテ状の凹角とカンテの右側のクラックがある。どちらを登るか暫し迷ったが、結局右のクラックにカムでプロテクションを取り登る。少々悪かった。フェースに出るところにハンガーがある。その後フェースを登るが、このルートにしてはハンガーが多いのだが難しかった。この、45mが一番難しかったかもしれない。
8p目:支点から真っ直ぐブッシュ、草付き混じりのフェースを登る。40m。左側のすっきりしたフェースがルートだったかも。尾根に出て終了。
尾根は北風が強かったが、岩陰で大休憩。岩稜を右にトラバースして比叡山の頭を登山道で下山。比叡山のスラブには我々だけで、少々心細かったが静かな登攀を楽しむことが出来た。このルートは4級というグレードより難しいと思った。寒くなかったらグレード通りかもしれないが。
比叡山1峰第1スラブ取り付き。1p目はノーマルもスーパーも同じ。簡単だが枯葉に注意。
2p目、スラブの出だし。ノーマルは右のゴツゴツスラブらしい。
4p目のフェースを登る。
5p目。クラックを登り、バンドを右へ。亀の甲スラブへ乗り込む。
7p目終了点へ。
1峰北隅のピークにて。
11.23 鉾岳大長征ルート(美しきトラバースルートから大滝左ルートへ)
駐車場8:40 取り付き10:35 終了点14:05 駐車場:16:00
持参カム:リンクカム1セット、エーリアン2、キャメ#3
高千穂を出る時は車のガラスは真っ白な霜。時間をつぶしながら比叡山の麓へ。今日は5,6台の車が停まりクライマーも多そう。居合わせたMガイドとご挨拶、鹿川キャンプ場へ。
駐車場には車が3台ほど。登山道を1時間強登ると、鉾岳スラブへの標識がある。岩壁左スミの取り付きへ。岩壁には誰もいない。昨日の比叡山の花崗岩はどちらかというとヨーロッパにみられるような岩質だったが、鉾岳の岩質は石英の多いインボンのような花崗岩だった。
1p目:スラブの弱点を拾っての登攀40m。
2p目:右上の枯れ木を目指して。40m。
3p目:木を目指して右上35m。トラバースをまじえルート取りに神経戦。
4p目:右上のバンドを目指す。着くとバンドでもない。35m。
5p目:さらにバンド状を右上。35m。
6p目:さらにさらにナンチャッテバンドをトラバース。35m。
7p目:またまたトラバース。途中の小さな尾根を乗り越す。50m。
8p目;簡単なトラバース。20m。
9p目:バンドのほぼ右端よりフェースを直上するが、プロテクションの間隔が遠く悪い。岩の結晶に乗り込むような箇所も。30m。
10p目:細かいダイクを拾いながらの1ピンまでが悪い。フェースを左上し、簡単なクラックを登り大岩の下で終了。45m。
その後、大岩の下を簡単なトラバース、クラックを頂上に抜ける。トラバース後左の肩を下降するのが最も早いのであろう。頂上から一般道を下山。下山道は素晴らしいハイグレードハイキングコースだった。
こちらのルートも我々だけだった。大きな岩壁の中疑心暗鬼のルートファインディングであった。同じく、ルートグレード以上に初見では難しく特に、大滝左ルートの上部2ピッチは地元の方のグレードではⅤ級5.6,5.7であるがプロテクションの間隔も遠く微妙で神経を使う登攀だった。
美しきトラバースルート1p目。ハンガーは2か所。
フリクションを信じて3p目を登る。
4p目。木を目指してひたすら登る。
5p目。バンドを目指して来ましたが、こんなバンドで当て外れ。
10p目。出だしは右上する貧弱なダイクだけ。グラウンドしないだけ安心。
10p目。岩塔の基部を目指して登ります。
雌鉾岳頭にて。
下山は時間のかかる登山道でしたが雌鉾岳を望む素晴らしいハイグレードハイキングコースでした。
11.24 上椎葉ダム訪問
その昔、父親が戦後の混乱期建設に関与した上椎葉ダムを訪れた。日本最初のアーチ式のダムで105名の殉職者を出した難工事だったとのこと。平家の落人部落だった村には似つかわしくない巨大なダムだがその電力は戦後の九州経済の復興に大きく寄与したと言われている。日向の山は峻嶮な本州の山に比べ、なだらかで緑豊かであり豊富な水資源を育んでいた。何時も鋭い山々に憧れてきた自分に何か反省の念を抱きながら生まれ故郷九州の山々を後にした。
豊富な水をたたえる上椎葉ダム